1. 特例子会社とは?
障害者雇用で求人検索していくと、「特例子会社」という耳慣れない言葉を見かける機会が多くなるでしょう。子会社というからには親会社があるわけですが、一般的な子会社とは何が違うのかと気になりませんか。
今回は特例子会社についてできるだけ簡単にわかりやすく説明します。
特例子会社とは、障害者雇用促進法によって定められた「障害者の雇用の促進及び安定を図るために特別な配慮をした子会社」のことです。2020年6月時点で全国に544社の特例子会社がありますが、ある企業の一部門を障害者が働くための子会社にしていることが多いです。
なお特例子会社として認められるにはいくつかの要件があります。通常の親会社と子会社の関係のように、親会社が株主総会等で子会社の意思決定をしていることはもちろんですが、特例子会社には障害者が働きやすい環境を整えなくてはなりません。
ちなみに障害者が働きやすい環境とは、障害者に配慮した柔軟な就業規則の設定や運用、安全性を考慮したバリアフリー設備の設置などです。
2. 特例子会社のメリット
障害者雇用促進法にて国や自治体、民間企業に対し「一定の人数、障害者を雇わなければならない」という法律があり、民間企業では雇用する労働者の2.5%以上(2024年4月時点の利率)の障害者を雇用しなければいけません。
特例子会社に雇用される障害者は、親会社を含めたグループ全体の障害者人数として算出されます。
つまり、特例子会社に障害者雇用率を満たす人数の障害者を雇用すれば、親会社やグループ会社には障害者を雇用しない方法も可能になります。企業等においての最大のメリットは、この算出方法が適用されることでしょう。
また障害者が働くための環境整備には相当額のコストが掛かりますから、特例子会社に障害者雇用を一本化することによってコスト集約ができ、労働規定も組みやすくなります。このようなメリットが企業等側にあり、特例子会社の数は着実に増えています。
なお特例子会社の条件に、障害者は5人以上雇用という規定があります。
さらに詳しく説明すると、全従業員に占める割合が20%以上であること。また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合が30%以上であること、という規定もあります。
小規模の企業等ならば、雇用されている障害者は1名というケースもありますが、特例子会社ならば、決して少なくない障害者の方が働いています。これは障害者にとって大きなメリットでしょう。
3. 特例子会社のデメリット
次に特例子会社に努めるうえで知っておきたいデメリットについて説明します。
特例子会社は親会社の一部門の仕事を担いますが、定型型の業務を請け負っているケースが多いです。一例を挙げると、郵便物の仕分け、名刺作成、データ入力、清掃、各種サポート業務などです。
独創的な裁量が必要となる営業や企画といった業務は少なく、決まった業務を行う仕事が多くなるでしょう。
決まった業務が良い、好きという方にはメリットですが、色々な仕事をしたい、自己管理が必要な外に出る仕事がしたい方にはデメリットに映るかもしれません。
また企業等によって異なりますが、親会社の一般就労に比べて給与水準が低い場合もあります。給与水準に関しては障害者雇用も低い傾向があり、最低賃金に近い額からスタートとなることは覚悟しておいたほうがよいでしょう。
ですがディーキャリア春日部オフィスでは、利用者様に特例子会社の応募を奨励しています。
特例子会社に入社後の頑張りによって評価が上がり、昇給や賞与を得ることも不可能ではありません。あなた自身の努力によって、あなたのキャリアアップの可能性は無限にあります。
ちなみにディーキャリア春日部オフィスのワークスキルコースでは、特例子会社で行われる作業も想定し、基本的なパソコン操作を学んでいただき、チラシ作成やデータ入力訓練などを行います。
またディーキャリア春日部オフィスが企業見学や実習参加を奨励している理由は、就労前に実際の仕事を見てみることで求人票や面接では感じ取れないことが理解できるからです。
障害雇用の場合は企業等とのマッチングが非常に大切です。
【監修者】 澁江信男
ディーキャリア春日部オフィス ライフスキルコースを担当
サービス管理責任者の資格を有し、精神保健福祉士、社会福祉士、介護支援専門員の資格者
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